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■ 「第2回コミュニティファーマシーフォーラム」開催報告

 

~地域包括ケアに参画するコミュニティファーマシー~

 

 5月24 日(日)東京四谷にて、「第2回コミュニティファーマシーフォーラム」が開催されました。テーマは「地域包括ケアに参画するコミュニティファーマシー」。会場には、120名を超える、薬局経営者、薬剤師の他、薬学生、医薬品や食品メーカー、IT関連業者、医療関連及び一般紙の新聞社、出版社など多岐にわたる分野の方々が、遠くは沖縄県からも集いました。

 はるばるドイツからは、ドイツ薬事博物館館長のエリザベス・フーヴァ氏が駆けつけ、JACP設立1周年の祝賀講演を開催。講演に先立ち、フーヴァ館長から吉岡ゆうこ理事長へ、ドイツ薬事博物館所蔵の“医薬の神アスクレピオスの像”が贈られました。このサプライズに「私は何度もドイツに行っているのですが、ずっとこれが欲しいと思っていました。」と感激する吉岡氏の姿に、会場には笑顔が広がり、朗らかな雰囲気に包まれました。

 そうして、フーヴァ館長自らが、ドイツ薬事博物館内の貴重なコレクションを丁寧に案内してくださる、とても贅沢な講演が始まりました。映し出される色鮮やかなスライド写真とともに博物館内を一巡、案内し終えた後、フーヴァ館長は「ドイツ薬事博物館には、今や毎年約62万人が来訪します。その中には、医療者やこれから医療を目指す人ばかりでなく、一般の薬事に関心を持つ人、そして子供たちがいます。」と、薬事に関心を集めるために工夫を凝らしたイベントや展示方法をさらに紹介。最後は「ドイツ薬事博物館の重要な役割は、薬局や薬剤師の専門的な職能の大切さ、素晴らしさを広報することです。」と締め括りました。

 続いて「薬局の求められる機能とあるべき姿」をまとめられた北里大学薬学部の吉山友二先生の基調講演。「薬局の求められる機能とあるべき姿」が公表に至るまでの経緯や、学会や医療政策に反映されている現況を示されました。「ほとんどの薬局が満たしている項目が多い。中には現場からは無理と言われしまう項目もあるが、“薬局の求められる機能とあるべき姿”は、地域医療の中で“かかりつけ薬局”を推進するための指針としてまとめたもの。そこに向かって努力はして欲しい。」という吉山先生からの激励に、会場からも“かかりつけ薬局”や“薬局業務の見える化”に対する現状や対策など、意見や質問が相次ぎ、そのディスカッションに満席のメインホールが一段と熱気を帯びていきます。

 講演の中休みには、フローラ薬局の篠原久仁子氏が考案した、味も彩りも豊かな「春の五味五色薬膳弁当」が振る舞われ、参加者はランチョンセミナーを聴講しながら、お弁当を五感で味わいました。そして展示会場も、最新のレセコンや調剤機器を試したり、健康食品やハーブティーを試食試飲したり、機器で肌チェックしながらアロマハンドケアを受けたりと、薬局でできる健康支援を楽しく体験しつつ、健康拠点としての薬局の機能強化に取り入れられることを熱心に検討する方々で賑わいました。

 

 後半は、ドイツのロッテンブルグの街で薬局を経営するアッセンハイマー慶子氏の講演。「ドイツでも2004年の大きな医療改革の際には、薬剤師は国民から激しいパッシングが受けました。しかし薬局・薬剤師の重要さを国民にアピールするための努力をし、“かかりつけ薬局”として再び信頼されるようになりました。」「卸から1日数回以上薬の配送がある薬局は、インターネットより対応が速いのです。薬剤師は健康についてはオールラウンドの知識を持っているし、最も身近な科学者でもあります。日本も今までの取り組みを大きく変える必要はないと思います。薬局や薬剤師が自分たちの専門的な機能・職能をもっとプラスに捉え、それを積極的に地域へアピールしていくといいでしょう。」と力強いメッセージを投げかけました。

そして、JACP会員発表では、静岡の杏林堂薬局・前嶋克幸氏、大阪のネオプラスファーマ・大森由子氏より、コミュニティファーマシーとしての具体的な実践事例が紹介されました。杏林堂薬局はご当地グルメの餃子を自社でも作っているほど地元に密着したドラックストア。お薬講座、簡易検体測定の実施、栄養相談会、健康フェスタなど、地域の「健康ナビステーション」として、多種多様なサービスを積極的に展開している薬局です。そして、ネオプラスファーマはコミュニティファーマシー化(CP化)宣言をし、地域住民の“笑顔”と“JOY”を生み出す薬局作り取り組んでいる薬局です。前嶋氏が「“いきつけ薬局”となるためには地域住民の健康を、検査機器により客観的に把握し、適切に助言していくことが必要。」と説くと、大森氏は「CP化によって、スタッフにリーダーシップやチームワークが生まれ、個人の才能が開花するという嬉しい誤算があった。」と自分たちができることから、まずは始めたことでの効果を伝えました。

 昨年5月のフォーラムでは「行きつけ薬局を持とう!行きつけ薬局を作ろう!」と宣言し、1年間活動を続けてきたJACP。今年はドイツでFIPが開催されることもあり、吉岡ゆうこ氏が「グローバルな視点で考え、そしてそれをぜひ自分たちの地域で実践してください。」と呼びかけ、第2回フォーラムを締めくくりました。 参加してくださった皆様、今年もフォーラムを盛り上げてくださり、本当に感謝しております。ありがとうございました!

 

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